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khdaの日記

書きつつ考える

【記事紹介】ディズニーワールドの新しいRFIDタグシステム、”MagicBand”がアツい!

という内容の記事が面白かったので要約して紹介。元記事はこちら。

プライバシーは要らない: ディズニーとミートスペースのデータ競争(英語)

 

 

記事によると、アメリカのディズニーワールドでは先月からMagicBandという新しい仕組みが導入されたという。これはRFIDタグが仕込まれたゴム製のリストバンドで、事前に申し込みをすると自宅に配送されてくるそうだ。当日はそれを手首につけて入園する。

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これを利用すると、入園も、園内でのアトラクションも、食事も、ショッピングも、リゾート内のホテル宿泊も、要するにリゾート内でお金を使うことに関してはすべて、手首をRFIDリーダーにかざすだけで済んでしまう。財布やパスなどをいちいち取り出さなくていいので、とても便利なサービスなのだ。

 

面白いのは、このリストバンドは家族やカップルで共有するものではなく、完全に個人専用に作られている点だ。大人も子供もひとり一つずつ、自分専用のものを手首につける。リストバンドの裏面には自分の名前がプリントされているという。

 

なぜ、個人専用に作ってあるのだろうか。

記事によると、この仕組みを通じてディズニーは、来園客一人一人の様々な行動をビッグデータとして管理し分析するのが目的だというのだ。だから大人と子供、性別、年齢などを分けてデータ収集する必要がある。個人専用なのはそのためである。

「園内でやること、買うもの、食べるもの、乗るもの、行く場所、こうした全てをMagicBandは追跡する」のだと記事の著者(John Foreman)は書いている。

 

さらに記事によると、こうした追跡データの今後の利用法は無限に考えられるという。例えば、

 

・リゾート内のホテルで出される朝食の中で、どのメニューが客の園内滞在時間を最も長く延ばせるのか

 

・客が早めに帰ってしまったり、あるいはトイレに行く回数が増えたりすることと相関関係があるような特定のローラーコースターはあるのだろうか?それがあるなら、利益を減らしていると言える。そのコースターをどう改善したら良いか

 

・来園者に園内の高価な商品を買わせやすいような特定の乗り物や食事はあるのだろうか。あるとすれば、移動式店舗を使ってそれらをちょうどいい時間に来園者の前で売ることは出来るだろうか

 

といった例だ。

こうしたことが計算可能になると、客はもはや自由意志によって行動しているとは言いづらくなる。自分の好き・嫌いで行動しているつもりが、いつのまにかディズニーの計算に沿って動いていた、なんてことにもなるわけだ。

多少SFチックではあるが、ディズニーのテーマパークという閉じた空間の内部でならば十分にあり得そうな話ではないか。

 

                 ***

 

元記事の後半では、ディズニーの話題から離れて、より一般的にビッグデータとプライバシーの問題が書かれている。こちらも面白いのだが、箇条書きで要点だけメモしておく。

 

・SFの古典的なサイバースペースに替わって、いまやミートスペース(meat space)に対するビッグデータの収集と管理が現実になろうとしている。

・ミートスペースは私たちの生活(食べたり、歩いたり)に関わる空間。サイバースペースはミートスペースよりも狭い。なぜなら、私たちは四六時中、肉体(=meat)を使って行動しているが、ネットにつながっている(=cyber)のはその行動の内の一部でしかないからだ。

・今後マーケティングの対象になるのは、私たちの肉体行動を対象にしたデータ収集と管理である。

・アメリカで現在議論されているNSAの盗聴問題においては、国家にプライバシーが侵害されることを人々は非常に恐れている。しかし他方でこれとは全く逆に、よくわからない私企業に対して人々は自分のプライバシーをすんなりと明け渡している。スマートフォンのアプリなどはその典型だ。

・ディズニーに対しても、人々は積極的に自分のプライバシーを明け渡し、MagicBandを歓迎するだろう。